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「そっかぁ······憶えていないんだぁ······」
「ごめんなさい。」
「ふふっ。何で謝ってんの?」
「えっ。いや、その······」
誕生日という日に、初夜を、無理矢理······
「朔耶ね、自分の血を飲んだ後
気絶するように眠っちゃったんだよ。」
「······へ?」
「起こそうとしたけど、起きなくて······
寝相がね、その······レアすぎて
近づけなくて。こっちで寝たの。」
······えぇぇぇぇ?
顔、真っ赤にしてますけど??
やっぱり俺、変なことしたんじゃないのか??
「あのね、えっと、自分じゃないからね?
朔耶のシャツがはだけちゃってたり、
スラックスが······半脱ぎなのは。」
······い、いやん!
直さずそのままだった!




