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「······これからも、甘えさせてもらうね······」
「いつでも。」
うぇるかーむ。
「······朔耶······今は、吸血鬼ってこと
受け入れてられてるんだよ、ね······」
「んー······まぁ、多分。よく分かんねーけど、
そうじゃなかったら
今の俺はない、かもな。」
杏奈とも、仲良くなれていなかっただろう。
「朔耶も、つらかったね······」
そっと俺の頬に、彼女の手が触れた。
あぁ。その言葉と気持ちだけで。救われる。
「お前程じゃないけどな。」
両手で、彼女の頭を撫で上げた。
「······憎しみと悲しみ、分けてくれ。」
今のお前を、味わいたい。




