317/647
11-11
仰せのままに。
「ああ。じゃあ······
俺は、こっちで着替える。」
なぜか和室がある。ちょうど、
メインルームと区切るように壁があった。
「メイクしてきて良かったなぁ······
一応、直せるようにファンデーションは
持ってきてたの。」
「えっ。杏奈、メイクしてたのか?」
「気づかなかった?ほら、目元。
違うでしょ?」
そう言って、顔を突き出すように······
あうっ。まぶしいぃっ。
激カワなお顔ですぅぅぅ。
「い、言われてみれば······そうだな。」
「ナチュラルな感じで仕上げたから、
分かんないよね。ふふっ。」
いや。気づかなかった俺が鈍い。
いつもよりさらにかわいいとしか、
思わなかった。




