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「誕生日プレゼント、それがいい。」
「······それが、いいのか?」
それはめっちゃアリだけど、
だけれども、プレゼントは物理的に
用意してるというか、なんというか······
「うん。朔耶と一緒に、過ごしたい。」
「······それは、いいけど。」
頭よしよしは、イヤになるってくらい
してやるとして······
それだけで、終わるのかどうかの心配だが。
家だと、奏子とか親父がいたから
何となく歯止めが効いたが······
「離れたくない······」
ま、また腕にっ。
「かっ、会長たち帰ってくるぞ。」
「帰ってくるまで······お願い。」
う、うん。いいけど。いいけどな······
「杏奈······」
「うん?」
そ、そんな、キラキラした目で
見上げて······もう。
「俺、聖人じゃねーからな。」
半人吸血鬼で、男の子ですから。
 




