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「そんなことも···出来るんだね。」
「ははっ。ヤバいよな。」
一歩間違えたらストーカーだもんな。
「ううん······ごめんなさい。
自分が黙って行っちゃったから······
謝らなきゃ。」
「······謝る必要、ねーよ。」
俺が頼りないから。
それに今なら、杏奈の気持ちが
痛い程分かるから。
「······
誕生日のお祝い、してくれるの?」
あっ。それだ。
「会長が、ホテルで過ごしたらどうだって
提案してくれてる、けど······」
プレゼント渡すには、十分すぎる環境だ。
「······うん。
お言葉に、甘えちゃおうかなって······」
俺の片腕に、くっ付いてくるぅぅ。
えっ、なんなの、杏奈ちゃん。
ドキドキしちゃうけどっ。
「二人で······過ごしたいな。」




