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「だって・・・・・・吸血鬼なんでしょ?」
「・・・・・・あ、あぁ。」
「どこに笑う要素があるの?」
今度は俺が、きょとんとした。
杏奈の反応が、あまりにも予想外だった。
「大地なら、あり得るかなって。
吸血鬼でも。」
「・・・・・・」
なぜか、笑いが込み上げてきた。
分からない。
今、笑う状況じゃないけど、止まらない。
壊れちまったか、俺。
「ど、どうしたの?」
「わ、分かんね。くっくっくっ、いや、
お前、やっぱ、おかしなやつだな・・・・・・」
「笑ってる大地の方が、おかしくない?」
「あっはっ!それな!俺が、おかしい、
くっくっくっ・・・・・・」
吸血鬼だと認めてくれたのは、家族以外
今までに誰もいない。




