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俺は建物の影に素早く隠れて、
スマホを手に取る。
《緊急事態なんですが》
《応援頼めますか?》
素晴らしい速さで
文字を打ったと同時に、既読が付く。
《了解した》
《すぐに向かう》
待機してんじゃね?と思うくらい早ぇ。
······ん?
《乾は運転中だ》
《代わりに私兎川が承る》
へ??!!
会長??!!
《なんで》
打ってる途中で、返信が来る。
《お前のスマホの発信元を調べて
位置確認した》
《今その場所へ向かっている》
《約5分程度で到着する》
な、何だと?
《眷属に下された被害者の弔いは
私の一部だ》
《安全な場所で待機していろ》
 




