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杏奈の顔からは、何も読み取れなかった。
「吸血鬼・・・・・・?」
「あぁ。」
「大地が・・・・・・?」
「そう。」
そして、次に出た
こいつの言葉に、俺の方が驚いた。
「それじゃあ・・・・・・自分の血を吸うの?」
「・・・・・・は?」
「それで、大地は満足する?」
「・・・・・・」
「分かった。いいよ。覚悟決める。
吸っていいよ。」
「おい!」
思わず、ツッコむ。
「な、何?」
「反応が違うだろ?!普通、
吸血鬼だとガチで言うヤツのこと、
笑い飛ばすかキツいとか、そんなんだろ?!」
杏奈は、きょとんとしている。




