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泣き崩れる女に回されていた
男の腕を掴んで、引き剥がす。
「······朔、耶······?」
引き剥がした女を後ろに隠し、俺は
男を睨みつけた。
突然現れて引き剥がした俺を見て、
相手は驚いた様子だった。
「······君は······
その制服、もしかしてアンナの······」
「付き合ってます。」
嘘を付く必要はない。
「······どうして······ここに······」
背中に投げられる、小さな問い掛け。
その声は、震えている。
「何か、勘違いさせちゃったかな?
僕は、レングラント神父とまりあさんの
友人で、
酒殿 悠斗という者です。
アンナとは、家族同然の······」
「しばらく、二人にしてもらえませんか?」
有無を言わせない俺の態度に、
男ー酒殿は息をつく。
「お願いだから、アンナを責めないでほしい。
僕が寄り添って、
慰めていただけだから······」




