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9−22
杏奈がアパートに戻って、約ニ週間が過ぎた。
寂しさは勿論あったが、
以前の平凡な暮らしに戻ったと思えば
何とか乗り越えられた。
学校に行けば、会えるし。
でもって、なぜか家にいた時よりも
親密度が増したというか。
放課後は協会へ一緒に行って、
フィットネスしたり。
血を吸わせてもらったり。
彼女の方から、くっついてきてくれたり。
へへ。うへへへ。あぁいかん。
ニヤついてしまう。
勿論、節度は保っている。
赤い目も、何とかコントロール出来るように
なっている気がする。
使うのはちょっと、トラウマだ。
あれから封印している。
とにかく。幸せな時間を過ごせている。
サプライズプレゼント計画も、
順調に進んでいる。
親父に相談したところ、ちょうど土日で
人手が欲しい仕事があるとの事で、
働かせてもらった。
お楽しみ袋という、年に2度
企画しているイベントがあるらしい。
それの、袋詰め。以外と、楽しかった。
黙々と作業するのって、向いてるのかも。
計4回で、割といいお金になった。
親父、さんきゅ。




