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「朔!いつまで寝てるの!起きなさい!
遅刻するわよ!」
この声は。
聞き馴染みしかない、キンキン声。
やっぱりというか。
天使が、舞い降りなかった。
「アンナちゃんはもう起きて、
先に行くって言って
出ていっちゃったわよ!」
あぁ······
顔も見たくないって、ね······
このまま、死にたい。
「朔耶っ!」
「毛布剥がすなぁぁぁっ!
俺はここで死ぬんだぁぁぁっ!」
「バカ言ってないで、起きなさいっ!」
「嫌だぁぁぁっ!」
もう終わりだぁぁぁっ!
「落ち着きなさい!もう!
ケンカでもしたんでしょ?!
ケンカくらいで騒がないのっ!」
「簡単に言うなぁぁぁっ!」
謝って済む問題じゃないんだよぉぉ!
 




