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9−1
互いにベッドの縁に座ると、杏奈は
じっと俺を見つめてくる。
ううむ。ナデナデしちゃっていいかな。
「乾さんに呼ばれたって言ってたけど······
もしかして、河野の事だった?」
おぉ。鋭い。流石だ。
「あぁ。捕縛が解けて、
話せる状態になったみたいで······
15分間だけの面会だったけど、
話すことが出来た。」
「会って話せたんだ!···どうだった?」
「顔、爽やかイケメンに変わってた。」
「えっ?」
これは、一から説明が必要だろう。
「血狂いすると、赤い目で支配するから
容姿が変わっちまうんだって。
俺たちが知ってた河野の顔は、
全く別人だったって事だ。」
「そんな······」
「でも根元は、あいつだったよ。
前よりも、腹を割って話せたと思う。」




