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「ただいまー。」
「おかえりなさーい!」
奏子の声だ。
玄関を上がってリビングを覗くと、
並んでキッチンに立っている熾天使が。
杏奈ぁぁぁっ。
「えへへ。おかえりー、朔耶!
早く帰ってきちゃった。」
「アンナちゃんがね、あんたの為に
料理覚えたいって!もう、何ていい子!」
「そ、奏子さんっ、それナイショでっ······」
「あらっ、うふふっ!
つい口が滑っちゃったわぁ!」
口を滑らしてもらってありがとう。
もうそれで、メシ食える。
ここ最近、奏子は夜勤が続いていた。
明日休みを挟んで
昼勤に戻るって言ってたっけ。
大変お疲れさま。
「朔、先にお風呂入っちゃいなさい。」
「晩メシ、何なの?」
「秋刀魚竜田揚げと、きのこのお味噌汁、
あと南瓜サラダよ。」
「自分、南瓜サラダ担当ですっ。」
うわぁ。もう幸せ。




