240/650
8-15
「でも大地くんは、僕たち特有のセンサーを
使えるって聞いた。それで、僕のことも
見破ったんだよね?」
「······あぁ、血のセンサーか。」
「血のセンサー、かぁ。良いネーミングだね。
······君は大量に血を飲んでも、狂わない。
しかも、“聖職者”の血を。
そして、吸血鬼本来の力を発揮している。
······奇跡としか、言いようがないね。」
それは、俺も自分でまだ信じられない。
杏奈の清らかな血を沢山頂き、
純血の河野たちではなく、
半人の俺が、本領発揮しているなんて。
「僕たちはもう、
朽ちていく運命なのかもしれないね······」
そんな寂しそうな顔して、
そんな悲しい事言うなよ。




