239/650
8-14
「僕がここにいる事も、分からないだろうね。
でも、知ったところで来ないと思うよ。
吸血鬼協会は敵だと、
教え込まれたから。
······会長さんの反対派は、僕の両親含めて
各地にいるみたい。」
「······これからお前は、どうするんだ?」
「勿論、会長さんの力になればと思う。
でも僕は、人を殺めているから······
表にはもう、出れないね。
取り返しがつかない事をしたって、
心から反省してるし、後悔してる。
これからどうするかは······
僕自身、決められないよ。」
河野は表情を暗くして、肩を落とす。
「······他の吸血鬼に、会った事ってあるか?
“ここ”以外に。」
「それは、分からないと答えておくね。
会っていたとしても、教えてくれないかも。
互いに距離を取ってる感じだね。」
······だよな。




