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「そういえば、手の傷は大丈夫か?」
握っているのは、昨日傷を負った方の手。
「うん······お陰さまで、綺麗に治ったよ。」
ひっくり返した手の平は、真っ白くて
とても綺麗だ。
細い指が、小刻みに震えている。
「······こうして、狂わずに
血を飲めるって、幸せなことだよな······」
「······うん。」
「しかも、大好きな子の血を。」
「······」
俺を見つめる杏奈の表情が、とろけている。
メロメロに、できてっかな?
······いや、まだまだ足りてない。
これからの、必須課題だ。
「······鍛えて、男磨いて、強くなって
······もっと、好きになってもらえるように
頑張ろうと思ってる。」




