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思わず、目を開けちまった。
「ひゃあぁっ!お、おはよっ・・・・・・」
気づいた杏奈は顔が真っ赤で、
慌てて飛び退く。
「・・・・・・おはよ。」
俺は、ゆっくりと起き上がった。
「そ、奏子さん帰ってきてるよ?
朝ごはん食べに行こ・・・・・・」
「その前に。」
ポンポン、とベッドの縁を叩く。
「飲みたい。」
「・・・・・・えっ、はっ、はいぃ・・・・・・」
逃がすわけにはいかないな。
恐る恐る、ちょこんと座る杏奈の手を握る。
彼女は、ビクッとして固まった。
「・・・・・・どうした?」
「う、ううん。・・・さっきの、
もしかして・・・・・・聞いた?」
「ん?何の話だ?」
しっかり聞きましたけど。
怖がらなくていいよ。大丈夫。
美味しい血を、いただくだけだよ。
 




