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夕日が沈んで、辺りは暗くなっている。
同時に、街灯が点き始めた。
公園に差し掛かり、俺は急遽ここで
足止めしようと考えた。
「なぁ。」
「ん?」
「ちょっと、公園のベンチに座ろう。」
そう言ったら、めっちゃ笑顔になった。
「うわ、初めてじゃない?
大地からそんなこと言ってくれるの。」
いや、ここまで付いてこられて、
呆れてるだけなんだよ。
「気が変わる前に行け。」
「は~い!」
嬉しそうに笑いやがって。
杏奈は小走りで、公園に入っていく。
ため息をついて、その後を追った。




