2/622
1
「朔耶~!朝よ!起きなさ~い!」
無断で俺の部屋に入り、
カーテンを開ける不届き者。
「何すんだよ・・・・・・灰になっちまうだろ?」
「バカなこと言って!寝ぼけてないで、
さっさと起きなさい!」
うるせぇなぁ。
起きるのはダルいが、このままだと
無理矢理布団を剥がされそうだ。
俺の安らかな眠りを妨げたのは、
母親の大地 奏子。
看護士という立派な職業のせいか
世話焼きなのが、めんどくさい。
おばさんだが、綺麗な部類に入る。
本人には、言わないけど。
奏子は、俺を起こすだけ起こして
嵐のように去っていく。
頭を掻きながら、ベッドから下りた。