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６−２８
「吸血鬼のＩＱは、基本高いの。だから、
正攻法では捕まらないのが現状。
少しの油断が、チャンスになったりする。
情報網を駆使して、追い詰めていく。
その考えが、『聖職者』の基礎。
······悪く思わないでほしいの。
今回確実に捕獲するには、朔耶は
自分の行動を知らない方がいいと判断した。
······あなたは優しいから。」
頭が上がらねぇ。
敵わねぇ。
何もかも。
「朔耶。思ったんだけど、
柏原が歌ってた時泣いてた河野は······
本当の姿だった気がするの。
吸血鬼の事がなかったら、学校も
友だちと遊ぶことも······きっと、
大事にしてたんじゃないかって。」
そうだとしたら。
かなり、嬉しいけどな。
「······朔耶？」
いかん。柏原の歌聴いて泣いちまってから、
涙腺が弱くなってんのかな。
自分の情けなさと。
あいつの、本当の気持ちと。
少しでも、希望があるならいいなって。
