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6−22


黙って見てる、ことしか、

できない、なんて······くそっ······

くそぉっ······



「······す。」


触れる寸前で、杏奈の声が、漏れた。


「うん?」


「自分は、朔耶の女です。」



何か、はっきり、聞こえた。



「っ?!」



状況は、いきなりカオスだ。


朦朧とする中、見えたのは、

杏奈の手に握られた、銀色の短剣。

その刃に付いた、鮮やかな血。



「ぐぁぁぁぁっ!!」



河野が、悲鳴を上げて床に倒れ込む。


しかし、傷口らしきものは、見当たらない。


杏奈を掴んでいた手は離れ、

湯気のようなものが昇っている。


そして、河野の手から解放された俺の肺に、

一気に入り込む空気。

むせながら、状況を再確認した。



「な、なにを、したぁぁっ?!」


湯気が出る手を、もう片方の手で抑えながら

河野は、うめき声を発している。


杏奈は立ち上がると、哀れなものを見るように

視線を向けた。


「『聖職者』の血を浴びた気分は、どう?」






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