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6−13
「大地くん、泣いてるの?!」
知らずに、涙が零れていたらしい。
「やべぇ!大地を落としちまった!」
嬉しそうに柏原は、俺の頭を
くしゃくしゃと撫でる。
もっと、楽しみたかったよ。
フツーに、河野と、柏原と。
ダチとして、三人で過ごしたかったな。
これがもう、できないって思ったら。
涙が止まらなくなった。
「泣かないでよぉ、大地くぅん。
僕も、泣けてきちゃったよぉ······」
河野も、ぐすぐすと泣き始めた。
「ヤバッ!男も落とす自分の美声、
罪すぎんだろ!」
調子に乗って、柏原は2曲目に突入する。
「たっぷり聴かせてやるぜぇ!お前らぁ!」
2曲目は、懐メロの名曲。
うぉぉぉぉい。やめてくれぇぇぇ。
涙止まらなくなんだろうがぁぁぁ。




