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6−12


「俺が手本を見せてやる!」


柏原は張り切って、マイクを持つ。


このイントロ、有名なやつ。

ズブズブのバラードだけど、歌えんのか?



俺の心配を覆す、いい声。


おいおい。上手いじゃん。



「うわぁぁーっ!!すごいよ柏原くーん!!

 ステキーっ!!」


河野は大興奮だ。

落ち着けよ、的な感じで

柏原は河野の頭に手を乗せながら、

歌い続ける。


違う意味で、ドキドキする。


柏原。お前の歌声で、

こいつを無力化してくれないか?


同性も、落とせるかもしれない。

それくらい、ガチで上手い。



サビのところとか、何ていうか。


心にくるものがあった。



このまま、楽しめたらいいのに。


でもこの時間はもう、永遠に来ない。





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