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放課後。
俺は杏奈と一緒に、教室を出る。
ついに、か?
二人は、付き合っちまうのか??
それとももう、付き合ってるのか??
そんな視線が、痛いほど突き刺さった。
いつもなら、平和に河野と話しながら
駅まで歩いていくのに。
しかも、だ。駅までだと思ったら、
電車に乗って、降りる所まで一緒。
こんな事、初めてだった。
住んでるとこ、違うよな?
どこまで、付いてくるんだ?
灰色だった空は少し回復して、雲が
夕焼けの朱色に染まっている。
「ちょっと。空ばっか見てないで、
返事してよ。」
家まで付いてきたら、流石に引くぞ。
「何、話してたっけ。」
「もう!やっぱ聞いてなかった!」




