177/647
6−9
·······ん?
今、会長って言ったか?
「あ、あの、乾さん。会長って、
一体何歳······」
「答えたら、消されます。お察しください。」
あ。はい。すんません。
「麗しきレングラント嬢のご両親を
死に追いやった被疑者と、
今回の件の被疑者が一致するのか。
それを含めて手掛かりを辿ります。」
「今日の放課後、そいつともう一人のダチとで
遊びに行く予定にしています。
自然に連れ出せるんじゃないかって······」
「ナイス判断です。朔耶さま。
流石は、昌耶伯の御子息様。
頭脳明晰の素養がおありのようですね。」
······うん?
褒められてる?
まぁ、とりあえず。
「杏奈には、伝えていません。
危険な目に、遭わせたくないから······」
「その心優しいお気持ちも、
汲み取っております。会長からも、
血縁者の追跡と捕獲には
なるべく遠ざけるよう、
命を受けております。ご心配なく。」
分かってくれてたんだな、会長。
有り難い。




