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学校、一日休んだだけなのに。
すんごく現実から離れてた気分。
「気をつけて行ってらっしゃ~い!」
奏子が元気よく手を振って、見送ってくれた。
俺と杏奈の弁当、
作ってくれてありがとな。
今更だけど、母さん、仕事で忙しいのに
欠かさず作って、
持たせてくれているんだよな。
ありがと。ホント。
平凡だと思ってた日常だけど、
この件があってから、改めて分かった。
この普通が、幸せな事なんだと。
「一緒に登校するの、何か楽しいねっ。」
でもって、隣に杏奈がいる。
あぁかわいい。
そう。一緒に登校してるんだよ。
ヤバいよな。これ。
一緒に休んで、一緒に登校。
確実に、イジられる。




