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「・・・・・・うん。分かった。
朔耶が動きやすくなるように、専念する。」
うん。いい子だ。
「疲れただろ。もう休めよ。」
「うん。・・・・・・朔耶も、無理しないでね。
こっそり行くとか、ナシだからね。」
「ああ。」
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・ん?どうした?」
杏奈は俺の手を取って、ぎゅっと握る。
「・・・・・・ありがと。朔耶。
血が飲みたい時は、遠慮なく言ってね。」
ぐはぁっ。
眩しすぎるっ。
感謝とか、もらう資格ねぇのに。
「こちらこそありがとな、杏奈。
お前がいるから、いくらでも頑張れるよ。」
「・・・・・・ふふっ。そう言ってくれるの、
すっごく嬉しい。」
あぁ・・・・・・かわいい笑顔。
ありがとう。ホント。
一人反省会だな。
こんなに早く、遭遇するなんて思わなかった。
血の匂いセンサー含めて
初めてだらけで、油断もあった。
今度会ったら、必ず捕まえる。




