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しばらく俺たちは、飛ぶ事に集中した。
ほぼ、楽しみながらだけどな。
杏奈の身軽さには、ホントに驚いた。
背中に羽が生えてるんじゃね?
そうか。天使だったんだな。
いや、冗談抜きで、ここまで出来るって
相当な訓練しないと難しいだろう。
努力してんだな、お前。
「すごいね!軽々飛んじゃうんだもん!」
「いや、お前の方がすげぇって。」
俺は、チート的に飛んでるから。
「楽しいなぁ。朔耶と飛ぶのっ。ふふっ。」
「俺も、めっちゃ楽しい。」
この時間、ご褒美かも。
「きゃっ!」
飛び移った所で、杏奈が足を滑らせる。
俺は即座に飛んで、身体を受け止めた。
「あっぶねーっ」
「びっくりしたぁーっ」
ガチで、冷や汗かいた。
落ちるところだったぞ。
「気を付けないとね。ありがと。」
照れ気味で、杏奈は笑う。




