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同時に、飛び出す。
思いっきり蹴ったのもあるが、
昨日よりも身体が軽くて、勢いがある。
「あははっ!すごすぎっ!」
俺が引っ張る形になっちまったけど、
杏奈も付いて来れている。
すげぇ身体能力だな。
ふわりと、お隣さんの屋根に飛び乗る。
「思ったけど、これって
不法侵入になるのかな。」
「なるかも。」
「今さらだったな。」
「普通ならだけどね。
でも、吸血鬼協会のIDがあったら、
特例として許してくれると思う。
きちんと、理由を説明したらね。」
「えっ。
吸血鬼協会、そんな権限あんのか?」
「兎川会長、すごい人なのよ。
国に貢献してるし、きちんと
吸血鬼の事も理解してもらえるように
働きかけてる。だから、
自分たちが自由に追跡できるようにも
してくれるはずよ。」
・・・・・・
すんません。変態を疑って。




