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30分くらい経ってから、
杏奈が俺の部屋にやって来た。
「お互いの靴、持ってきたよ。」
スポーティなパーカーに、ハーフパンツ。
髪の毛は緩く、一つ結び。
なに。このかわいい生きもの。
そういえば私服って、見たことないかも。
「ありがと。・・・え?お前も靴いる?」
「えっ?いるでしょ。
・・・まさか、ずっと抱えて飛ぶつもりだったの?」
だ、だってぇ。
想像では、お姫様抱っこ・・・・・・
「屋根伝いとかなら、私も飛べるよ。
訓練してるから。
大きなビルの間とかは、無理だけどね。」
すげぇな、お前。
「でも・・・・・・朔耶なら余裕で飛べると思う。
その時は、その・・・・・・手を繋いで、
引っ張ってもらちゃおうかなっ。えへっ。」
そん時は、喜んでエスコートしますっ。えへっ。




