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『ありがとね。』
「・・・・・・何で、電話で?」
『・・・・・・えへへ。だって・・・・・・
直接行けるのが、幸せすぎちゃて。』
・・・・・・何だよ。かわいすぎ。
「ははっ。俺も、杏奈が俺の家にいるのが、
今でも信じらんねーくらい。」
『うふふっ。』
「へへっ。」
『自分もだよ。』
「確かに、幸せすぎんな。」
『うん。』
ずっとこうして、話していたい。
本当は、危ない目に合わせたくなくて。
杏奈には、黙って行こうと思っていたけど。
「・・・・・・本当のところ、今夜から
追跡開始しようと思ってて。
一緒に飛んだ後、ちょっと行ってくる。」
『・・・・・・
一緒に、行っちゃダメ?
“聖職者”として、
護身術を身に付けるのは必須なの。
足手まといには、ならないと思う。
万が一朔耶が大怪我しちゃったら、
自分の血を、あげられるし・・・・・・』
杏奈。もしかして・・・・・・
俺の考えてること、お見通しだったのか?




