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さて。どうするかな。
このまま、窓から飛び出そうか。
思いっきり飛んでみるのも、いいかもなー。
うっほほーいって。
そう考えてニヤニヤしていると、
ブブブブ、と、勉強机に置いていたスマホが
小刻みに動いた。
・・・・・・えっ?杏奈から?
「・・・・・・どした?」
『寝てた?』
想像で、飛んでました。
「いや、寝てないよ。」
『・・・・・・そっちに、行ってもいい?』
へ?
・・・・・・何で、わざわざ電話で?
「別に、いいけど。」
『約束してたから・・・・・・一緒に、飛ぶって。』
それは、めっっっっちゃ嬉しいけど。
「・・・・・・実は、今から飛ぼうかと
思ってたんだ。
どれだけ飛べるか、試してみたくて。」
『・・・・・・そっか。自分がいると邪魔かな?』
いやいやいやいや。
「大歓迎っす。」




