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俺と杏奈は、包み隠さず
会長に全てを打ち明ける。
起こった事も、何もかも全部。恥ずいけど、
信じてもらうには、必要だと思った。
昌耶と奏子は、拙い自分たちの話を
補足する形で付け加えてくれた。
みんなの話を、会長は止めることなく
黙って聞いていた。
時々、顎に手を添えながら。
話し終えた後、しんと静まり返る。
みんな、黙り込む会長に注目した。
小さく、息が漏れる。
「・・・・・・ふむ。これから、検証が必要だな。
そして、血縁者を追えるのは、
貴殿たちしかいないという事だ。」
独り言のように呟いて、会長は
俺と杏奈を見据える。
「朔耶。ミス・レングラント。
私は確証が得られないと、信頼できない。
今ここで、血を吸ってもらう。」




