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「確かに、こいつのやろうとしてた事は
八つ当たりだけど、その標的が
俺たちで良かったと思っています。
助けを求めてくれたし、こうして
反省して、ここに来てる。
それでいいじゃないんですか?」
「さ、朔耶っ。」
いいんだよ杏奈。言わせてもらう。
「成り行きで、短剣が自分の腕に刺さって
ちょっと痺れましたけど、無事です。
こいつの血を飲んで、
綺麗さっぱり治りました。
だからもう、赦してやってください。」
「・・・・・・何だと?」
ピロロロロ。
ん?着信音?
行方を見守ると、何を思ったのか
会長は胸の上から手を突っ込んだ。
引っこ抜かれたのは、
鳴っているスマホ。
おい。なんてところに入れてんだ。




