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杏奈を目にした途端、
穏やかだった会長の雰囲気が、一変する。
ぴりっとした空気に。
「・・・・・・ミス・レングラント。」
同一人物か?と思うくらい、真顔だ。
それに、びくっとして
杏奈は、深々と頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。
大事な短剣を、持ち出してしまって・・・・・・」
「それは問わん。私が知りたいのは、
それを使って
何をしようとしたのか、だ。」
それは。
俺を始め、昌耶も奏子も身を固める。
「短剣を、調べさせてもらう。乾が実行中だ。
使った形跡があるのなら、
報告が必須である。分かっているな?
それによって、貴女の処分を決める。」
空気が、痛い。
このままでは、バディ申請どころか
杏奈の会員存続も、危ないのかもしれない。
 




