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「お前が付き合っちまえばいーだろ。」
「何言ってんだよ。大地一筋の女に
手出しはしねーよ。日下部、ガチで
お前のこと大好きだって。」
「トラップだろ。」
「トラップぅ?ははっ!残念な考えすんなよ!
あれは、ガチだって!」
「ホント、日下部さん
かわいーよなぁー。」
今度は、前の席から俺たちに話し掛ける男子。
河野 貴也。
こいつも、俺のダチだ。
柏原とは正反対。どちらかというと
こいつの方が俺と似ていて、話しやすい。
全部が小さいサイズなのに、
掛けているメガネだけはレンズが大きい。
「モデルさんみたいだよねー。
イケメンの大地くんと、とてもお似合いだよー。」
「はぁ?」
「うん。それは間違いない。
大地に女がいないのは、おかしい。
お前のルックスだったら、
俺みたいになれる才能あんのに。」
確かにお前は神がかってるが、
バレた時の修羅場を、俺は見たくない。




