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俺たちを乗せた車は、ついに屋上へ出る。
見晴らしがいい景色が広がる中
端の方に進むと、速やかに停車した。
「さぁ。降りようか。」
シートベルトを外して、親父が促す。
それに従って、奏子と杏奈は
車内から出て言った。
・・・・・・冗談では、なさそうだ。
遅れて、俺も車から降りた。
「驚いたと思うが、
吸血鬼協会の兎川会長は、
ここの社長でもある。
協会への入り口は、この屋上に設けられた
エレベーターだ。」
説明しながら先導する親父の背中は、
誰が見ても頼もしいと思うだろう。
「ここが屋上って事は・・・・・・
下に行くしかないよな。地下にあるとか?」
「その通り。協会の会員なら、
IDカードを持っている。
それで認証しなければ、
地下には行けないようになっているよ。」
何か、急にドキドキしてきた。
ガチで、秘密結社じゃん。




