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車が走り続けて、約30分。
とある会社の施設内へ入ったので、
俺は驚いた。
「・・・・・・親父?何で、ここに・・・・・・」
「ここが、吸血鬼協会なんだよ。」
いや、どう見ても、ここは・・・・・・
立ち並ぶオフィス街の中でも、
有名なブランド名。
子どもの頃ならず、大人でも口にしている
大手菓子メーカー。
その名も、兎万糖。
ふざけた名前だが、ここが作る菓子は
全部美味い。
ロゴには白い兎が描かれていて、
キャラの人気は女子中心に高い。
そして。親父が勤める会社が、ここだ。
・・・・・・えっ?
菓子を仕入れるわけじゃないよな?
戸惑う俺に構わず、昌耶は
屋内駐車場の中を進んでいく。
奏子と杏奈に目を向けるが、二人とも
異論はない様子だ。
ガチで、ここで、合ってんのか?
 




