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4-20


直系吸血鬼・昌耶が運転する車内には

大地家御一行プラス、

この世に舞い降りた天使が一人。

その名を、杏奈という。

俺の隣に座る彼女の横顔は、

まともに見たら天罰が下る。

だから、ミラー越しに拝見致します。


美しい。

かわいいという言葉では、罰が当たる。

通り超して、麗しい。

髪は綺麗に後ろで一つに纏められて、

小さな桜色の唇は、ぷるんと艶やかだ。

車窓に目を向ける姿勢は正しく、

背中のしなやかなラインが、素晴らしい。

黄金比。何もかもが、整っている。

制服だと分からなかったが、

なかなか、その・・・・・・ふっくらと・・・・・・


「ぶふっ。朔。鼻の下伸びてるわよ。」


なにっ?マズい。

奏子のセンサーに引っ掛かった。


「ミラー越しじゃなくて、

 本人と目を合わせなさい。」


親父にもバレていたらしい。

後部座席からでも、

頬が緩んでいるのが分かる。


直に見ろというのか?

神々しくて、眩しすぎる天使を?

吸血鬼という、闇に属する我には

灰になるしか、道は・・・・・・


「さーくや。」


はーい。







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