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教室内は、ホームルーム前で
ざわついている。いつもの光景だ。
俺は自分の席に歩いていくと、
背負っていたリュックを下ろして
机の上に置いた。
「大地!その脚力役に立つよ!
何か部活に、入ったらいいのに!」
「お気遣いありがとう、クラス委員長。
席に着けよ。ホームルーム始まるぜ。」
言われた事が正しいと判断したのか、杏奈は
むくれながらも、それ以上何も言わずに
自分の席へ歩いていった。
「今日もイチャラブしてんなぁ。
お前ら付き合っちまえばいいのに。」
後ろの席から、話し掛けてくる男子。
柏原 裕翔。
入学してから三日経たずにダチになった。
バスケ部期待のルーキーで、おまけに
コミュ力高くてイケメンだから、
女子にウケまくっている。
ここだけの話、付き合ってる女は
複数、いる・・・・・・
恋愛ゲームを、リアルでやってるヤバいヤツだ。




