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昌耶は微笑み、手招きをする。
杏奈は引き寄せられるように、
ダイニングテーブルへ歩いていった。
親父に呼ばれて嫌な顔をする女は、
見たことがない。
少し赤らめて微笑むという、
揺るぎない魔法を掛けられる。
「今日は急遽休みを取ったんだよ。
奏子さんも、だ。」
俺は、定位置に腰を下ろす。
すぐ隣の席は、いつも空席だった。
そこに、杏奈が座る。
夢みたい。
「話し合った結果、早い方がいいと思ったの。
協会に出向いて、朔を公認吸血鬼として
認めてもらう手続きよ。」
昌耶の隣の席には、奏子。
こうして、4人顔を合わせての
朝食が始まった。




