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杏奈が着ている部屋着、どこかで
見たことがある。奏子のやつかな。
何か、妙に、かわいい。
「よく眠れた?」
「・・・・・・あまり。」
「え?そうなの?」
「血を、いっぱい飲んだからだと思う。」
「・・・・・・そっか。」
「お前は?」
「奏子さんのご飯が、とっても美味しくて
たくさん食べちゃった!
お陰さまで、ぐっすり。」
いい笑顔。うん。良かったね。
ちら、と首筋を見ると、キスマークが
目立たないくらいに薄くなっていた。
俺の唾液って、すげーかも。
「・・・・・・えへへ。」
首筋を手で触りながら、杏奈は
恥ずかしそうに俯く。
なに。どうしたの。かわいいよ?




