私の聖水(意味深)がアンデッドを瞬殺できるんですが、恥ずかしくて直視できません
私の名前はミラ・アクセシア。
先月聖女学校を卒業したばかりで、『聖水』を売って生活しています。
実は聖女としては落ちこぼれと言われていたのですが……ここ最近、私の聖水の売れ行きがとてもよいのです。
特に、ダンジョンに潜る冒険者さん達が、私の聖水を買ってくれます。
「ミラの聖水、武器に塗るとアンデッドも瞬殺なんだよなぁ」
「そ、そうなんですか。でも、武器に塗るのはオススメしませんね……」
「え、なんで?」
「そ、それは――まあ、主成分とか、色々と」
「成分? よく分からんけど、なんか変なものでも入れてるのか?」
「へ、へへへ変な物なんて入れてませんよ!? 私の聖水は、清らかなお水なので……!」
「そうだよな。この前なんて、怪我をした時に傷口塗ったらいいんじゃないかって――」
「それは絶対ダメですっ!」
「あはは、冗談だよ、冗談」
……冗談でもやめてほしいです。
私の聖水は、まあ作り方は企業秘密なので言えないのですけれど、実は物凄く簡単に作れます。
ある夜のこと、アンデッドに襲われた時に恐怖で――おっと、それ以上は言えません。
ですが、とにかくその時に手に入れた……もとい、私の中にあった聖水の力でアンデッドの浄化に成功したので。
おかげで私の生活基盤も安定してきたのですが……ここ最近、聖水を町中で普通に持ち歩いている人まで目立ちます。
はい、正直めちゃくちゃ恥ずかしいです。
何故恥ずかしいかは言えないですけれど、これは私に対する何か羞恥プレイなのでしょうか?
絶対に聖水についての詳細は言えないのですけれど。
今日はなんと、私の聖水を使って『共同墓地』に出現したアンデッドの浄化祭りがあるそうで、万一に備えて私にも一緒に来てほしいそうです。
その場で聖水を作ってほしい、と。
何ですか? もしかして皆さん作り方を知っていて言っているんでしょうか?
とりあえずお水をたくさん飲んで……何としてでも作り方だけはバレないようにしなければなりません。
絶対にこの秘密だけはお漏らしできないのです……!
勢いで書いたので超短編です。
汗かもしれないし涙かもしれない。