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第四十九話 シェンテラン家のかつての主

にゃ――――ぁん

 


 にゃ――――ん


 エキの声がよく響き渡る薄闇の中で目を凝らします。

 その闇に溶けた毛並のエキを見つけるのは、なかなか容易ではありません。


(エキ?どこですか、エキ!)


 そんな風に発したリュームの声ですら、己の耳からは遠くで響くかのようです。

 言葉を発した途端、まるで何かに吸い込まれてゆくかのよう。

 耳を澄ませます。


 リ ュ ー ム 。 ね ぇ 、 こ っ ち だ よ 。


 可愛らしいエキの声が誘い掛けてきます。


 遊 ぼ う よ 、 お 歌 を う た っ て よ 。


(ええ・・・はい。エキ、今、行きますね)


 薄闇の中かすかに迷いながら、エキの声を頼りに進みます。


 ふら、とおぼつかない足取りですが、慎重に一歩づつ行くしかない気がします。

 微かにほの明るい方向を目指して、眼差しをそこに据えました。


 闇の中煌くのは、リュームの焦がれるあのお方と同じ光を放っております。


 冷たくて鋭くて、深く深くリュームを射抜く光に身体が強張ります。


 エキ!貴方は・・・もしかして『闇』の一部ですか?


 にゃ――――んん!!


 可愛らしい鳴き声が闇の中響き渡ります。

 高音を保つそれ。

 高らかに長くこだまして、まるで笑っているかのように聞こえます。

 それでいて寂しさを伴なっていて、まるで自分自身を嘲っているかのようにも聞こえてしまいます。

 リュームは眉をひそめました。


 ――ボクを忘れちゃったの?ジ・リューム。


(まさか!エキを忘れたりなんてする訳がありません)


 闇の中、首を横に振りました。


 ――ううん。シュ・リューカ?


 あ い つ に 復 讐 し て や ろ う っ て 誓 っ た じ ゃ な い か ?


 ・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


 シュ・リューカ。


 その言葉が何を意味するのかは解りません。

 ただ何かしらの衝撃をリュームに与え、それが身体の芯まで貫きました。

 震えます。

 指先、脚、身体だけではなく、存在自体が揺らいだと言って良いでしょう。

 視界が大きくぶれましたから。

 闇の中、平衡感覚すら失います。

 もはや自分が立っているのか、しゃがみ込んでいるのかすら解りません。


 何せ手を伸ばすのすら、ためらわれるほどの深い闇にくるまれているのです。


 伸ばした手すら闇の中見失ってしまうそうなほどの暗闇に、どう対処すればいいのかと恐怖を覚えます。

 どこかに光はないかと、一筋でも良いからと闇を見据えるしかありません。


 するり、と足元に寄りそう気配に目を凝らします。

 見下ろせば、そこにあったのは闇に浮かぶ緑の眼。


「エキ!」


 ””リューム。ボクを抱っこしてよ””


「はい。いらして下さいませ、エキ」

 その滑らかな毛並に指先が触れた途端、リューム自身もまた指先から闇色に染まって行くかのようです。


 ””リューム・・・リューム。ねぇ、リューム?どうしてボクの呼びかけに応えたりしたの?””


「まあ。エキが呼ぶからですよ。ただ、それだけですよ」


 ””嘘だぁ。どうしてリュームは呼ぶといつも答えてくれるの?””


「エキが可愛らしいお利口さんだからですよ。それに寂しそうでしたから」


 ””うん、リューム。ボクは・・・ずっと寂しかったよ。リュームも?””


「エキが寂しいとリュームも寂しいですから」


 エキが甘えるように身体をすり寄せ、のどを鳴らします。


 ””ボクもうこんな(ところ)に居たくないんだ。リュームは?””


「ええ、モチロンです。エキ。リュームも同じです。また一緒に干草の上で日向ぼっこがしたいです。もちろん、シンラも一緒に」


 ””だったら行こう。いいもの見せてあげるから””


 いいもの?


 ・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


 そう問い返すよりも早く、闇が一気に引いて行きました。

 明るい視界に一瞬、立ちくらみを覚えます。


 気が付けば、つま先が見覚えのある石畳の回廊に触れておりました。


(ここはシェンテラン家の!)


 見渡しますれば、ここは中庭に面した回廊です。

 アーチ型の天井に、石造りの柱。

 装飾はそうありませんが、代わりに柱の部分に花を付けるツタが巻き付いております。

 毎年この時期になると花を咲かせる、リュームもお世話をしているツタです。

 ここは、そう確かに見慣れた回廊です。

 かつてご領主様と言い争いになったり、ここから指輪を放られたり、行き倒れたり・・・壁に背を押し付けられて唇を奪われた場所です。


(帰って来れたのでしょうか?)


 見慣れた場所に安堵を覚えたのもつかの間、傍らの人影に驚きました。

 右手に背の高い黒髪の青年。

 左手にあどけない金髪の少女。

 二人に挟まれて、リュームは立っておりました。


(あのうぅ?どなた様でしょうか?)


 そんな疑問も何故か言葉になりませんでした。

 出来るのはただ、疑問を投げ掛けるように視線を向ける事だけです。

 黒髪の青年は瞳も闇色でした。リュームと同じカラスと呼ばれる配色です。

 対する金の髪の少女の瞳は、薄淡く透き通った新緑です。キレイです。

 青年の表情は険しく、もはや少女を睨んでいると言ってもいいくらいです。

 少女はそんな眼差しを一身に受け、緊張しながらも必死で微笑んでいるように見受けられました。

 二人とも、お互い以外は目に入っていない様子です。


 そんな二人に挟まれているのです。


(見えていない?そんなバカな!?)


 そんなワケで自分の存在を主張すべく、ぴょんと跳ねて青年の眼前で手を振ってみました。

 彼の険しく寄った眉根は解かれる様子は見られません。

 なかなか端正なお顔立ちの彼ですから、そんな風にムツカシイ表情を固めると少女が怯えてしまいますよ?もう遅い気もしますけど。

 心配になり今度はしゃがみ込んで、少女の頭を撫でようと手を伸ばします。


 しかし、リュームの指先が少女の金髪に触れる事はありませんでした。


 少女へと伸ばした手は、彼女の頭の中に埋まった格好で見えております。


(す、すり抜けましたよ!?ええええぇ、透き通っているのはリュームの方でしょうかね!?)


 試しに後ろの石壁にも手を当ててみます。

 見事リュームの手首は、石の中に飲み込まれましたよ!

 それ以上は恐ろしくなり、慌てて引き抜きました。

 しかし、足は石畳に埋まることなく立っていますよね!?

 そろりと見下ろします。

 無事に着地は出来ていますが、何故か素足です。

 足裏に伝わるはずの、ざらつきも冷たさも感じません。

 忙しなくその場で足踏みをし、手をバタつかせてみます。


 我ながら、思いっきり挙動不審です。


 目の前でコレだけ騒がれていれば、流石に気が付かないフリは難しいでしょう。


 二人がリュームの存在に、まるで気が付いていないのは明らかです。


 これは何と説明すべきでしょうか?


 ・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


「ああ。そうか。ならばその身を差し出せると言うのだな?」

「はい」


 ――頷いてはなりません!


 目の前で交わされる言葉に、強く制止の声を上げましたが届きませんでした。


 コレはいつの、誰の記憶なのでしょう?

 もはや書き換えなら無い既に起こってしまった過去の出来事に、ただ立ち会うしかないのです。

 何と言う歯がゆさでしょうか。

 リュームの声も想いも何一つだって、彼らには伝わりません。

 リュームは痛いほど二人の哀しみが伝わって来て、やり切れないというのに!!


 頷いたと同時に、再び闇が立ち込み始めるのです。


 ・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


「ああ。そうか。ならばその身を差し出せると言うのだな?」


「はい」


 きょとんとした表情はどこまでも幼く、あどけないと彼は思ったようです。

 彼の心がいくらか和んだのを感じてほっとしたものつかの間、同じ心からどす黒いものがこみ上げてきました。


(忌々しい。俺の一族を追いやったクセに)


 強い憎しみの感情にリューム意識ごと彼に取り込まれてしまったようでした。

 彼と同じ視点で見下ろす彼女は何もわかっていないように映ります。

 その無邪気さすらも無神経と、腹立たしさを覚えるばかりでありました。


 彼の面に出さないまでも抱えた怒りは大きく、リュームの視点を保つのが難しくなってしまうほどです。


 もちろん少女のせいであるはずがないのは誰に諭されるまでもなく、彼は頭では理解していました。

 そう頭では。

 ですけれども激しい怒りの前では、そんな事は納得に値しない事実でしかありません。


「俺の名はギルメリア・シェンテラン」

「私の名はシュ・リューカ・タラヴァイエです」


 ぺこりと頭を下げると少女はおずおずと手を差し出してきました。

 親愛の握手を求められたのです。

 そうと理解するよりも早くギルメリアの手は動いておりました。

 その手を叩き落すために。

 バチンッとそれは空気をも叩き付けるかのような、勢いのある音が響きます。

 シュ・リューカの表情が、ついに泣き顔に変わりました。当然です。

 何て大人げの無い。誰かさん、そっっっくりではないですか!

 しかもそんな少女に構わず、その手首を掴んで彼は引き摺るように歩き出していました。


 リュームの意識も、彼に巻かれているようで一緒に移動となります。


 少女の家をつぶし、その忘れ形見とも言える少女の存在を知った時彼の心は躍ったのです。

 一族は散り散りとなり、少女は今誰の後ろ盾も無い状態でした。

 放っておけば遅かれ早かれ、身を持ち崩さずを得なくなり、果ては野たれ死ぬ危機に晒されているのです。


 かつてのギルメリア少年と同じように。

 だからこそ喜び勇んで引き取ったのです。


 彼はそのどん底ともいえる状況から見事に這い上がりました。

 その術者として長けた部分を最大級に活かして、傾ききったシェンテラン家を立て直したのです。


 彼の目標はただ一つ、一点のみに集中しておりました。


 一族をまた盛り立てる事。

 それが叶った暁には、一族を追いやったタラヴァイエの血筋を根絶やしにする事でした。

 それもすぐにではなくて、ゆっくりと時間を掛けて追い詰めるというやり方で、です。

 何と言うか。執念深い青年です。

 それだけ恨みもつらみも深く大きいのでしょう。

 その暗い歓びを噛み締める様は、術者としての好奇心も手伝って、もはや狂気と言ってもいいと思います。


 そう。彼は楽しんでさえいました。


 一族根絶やしの呪いという、完璧な術の使い手として君臨するのです。

 これがまた実に救い様の無い術のようでありまして。

 何の知識の無いリュームですら、ただならぬ気配を感じて怯えるしかありませんでした。


 その彼の後ろにうごめく強大な闇の大本が、その力を増長させているようなのに、ギルメリアときたら全く気が付いておりませんでした。


 自らが望んでの事として、とんでもない闇を放とうとしている事に気が付かないのは・・・・・・。

 既に魂ごと飲み込まれてしまったからでしょう。

 何よりもそれを彼自身が望んだのです。

 背後に忍び寄る闇の存在を感じます。

 闇はそんな想いに応えただけだと、静かに告げてきます。

 リュームはそんな気配だけ感ずる闇に問い掛けます。


 では望まなくなれば彼を解放してくださいますか、と。


 闇は静かに横たわったままで、(いら)えはありませんでした。


 ・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


 彼は絶対にこの少女に、心惹かれる心配は無いと確信したのです。

 だからこそ、打ってつけだと目を付けました。


 シェンテラン家のための生け贄として。


 そう、正にそのための存在として、彼女以外の適任など見当たりませんでした。


 そうして幾年月(いくとしつき)かが、目の前を過ぎ去って行きました。

 本当にあっという間でした。

 彼の目を通して見下ろす少女の成長が、それを如実に物語ってくれます。


 十三歳、十四歳、十五歳、そして今は十六歳のシュ・リューカが遠慮がちに見上げてきます。


 初めて出会ってから四年の歳月が過ぎていました。


 あの頃の幼いあどけさをそのままに少女は、女性へと成長していった・・・らしいです。

 やや否定気味な評価なのは、彼の照れと言うものが入り混じるからでしょうか?

 素直に認めましょう、ギルメリア青年よ!

 貴方の目を通して見る彼女はこんなにも眩いではありませんか。

 金の髪は艶やかに流れ、まるで金の滝です。

 それに負けないくらい眩しい彼女の胸元の白さが、歳月を追うごとに豊かに盛り上がって行きます。

 ふっくらとした頬もだんだんと大人びて、瑞々しいながらも引き締まって行くのです。

 そこに笑み絶やさない形の良い唇も加わって、何とも言えない色香が漂い始めています。


 いませんか!?いますよね!?

 ねぇ、ギルメリア!漂ってませんか!?リュームはとっくに、メロメロですよ―――!


 そんなリュームの、心からの叫びが届いたのであれば幸いです。


 少女が成長し、そう気軽に部屋を訪れる訳にも行かなくなった彼が取った行動は、猫さんの目を借りるというものでした。

 これまた不思議な術ですね。

 今彼は猫でありながら、実体は彼の自室という離れにあります。

 これがクレイズの言っていた『実体』と『精神』を分ける、の応用編だと思われます。

 ちなみに今リュームも実体を置き去りにして、精神体だけでうろつき中~という認識に至っております!

 おまけにギルメリアの精神にも気付かれないまま同調中~、という極めて高度な術に晒されているような気がします。

 どなたの仕業・・・もといお力添えか解りませんが、何やら大きな意志だけはひっしひしと感じます。


 い い も の 見  せ て あ げ る か ら 行 こ う 。 


 そう呟いたエキの力でしょうか?


 ・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


 案の定、突然訪れてくれた可愛らしいお客様にシュ・リューカは大喜びでした。


「まぁ。可愛らしい!こちらにいらして下さらないかしら?ミルクを貰ってきましょうか?」


 ””必要ない””


「まあ!お話もできるの!?魔法の猫さんなのね」


 ””そう・・・だね””


 口を利いた黒猫に驚きはしたものの、まさかギルメリア本人とは思わないようです。

 彼女は話し相手が欲しかったのでしょう。

 次々ととりとめもない事を話します。


 話題は次第にギルメリアの事になって行きました。


 彼はどうしているのだろうか、お元気でいらっしゃるのだろうか、またお忙しくて帰られていないのだろうか等を熱心に尋ねてきます。

 ギルメリアが居心地悪く感じているのが、その質問からも窺えました。


 ””何だ?そのギルメリアって奴は、オマエを嫌っている嫌な奴なんじゃないのか?””


「お優しい方ですよ。仇の私にこんなに良くしてくださるのですもの」


 シュ・リューカはにこにこしながら答えてきました。


 少女の新緑にも等しい瞳の輝きは憂いを帯びて、いくらか深みが増したように映ります。

 まるで雨に打たれて洗われたかのような、鮮やかさがそこにはありました。

 あどけなさを残しながらも、しなやかに伸びた手足の白さが己の黒い毛並を際立たせるように感じました。

 小さな来客に喜んだ少女が撫でようとする手を忌々しく思いながら、猫はするりと逃れて距離を保ちます。


 ””良く、だって?どこが?だったら何故こんな所に閉じ込めておくようなマネをするんだ?””


「だって。私この家にとって、目障りなんですもの。それに閉じ込められている訳ではないわ。私が出ないだけなの。それにあの方は、お忙しい方ですし。それより何より、私の事なんて見たくも無いでしょうから、こうしているに限るわ。あの方の目を煩わせたくないもの」


 でもそれは当然だからと付け加えた声音は乾いて響きました。

 何もかも諦めたかのように、ひっそりと彼女は微笑を称えています。

 その瞳の深さがまた増したように感じて、リュームの胸がつきんと痛みました。


「私ここでこうやって一生かけてお祈りするって決めてるの。あの方が幸せで在れます様にって。私の一族の罪が少しでも許されますようにって。一生を懸けて償うの」


 ””ばかばかしい!そんな事くらいで許されるとでも?””


「そうね。無理だと思う。どうしたらいいかしら?何か良い案はあるかしら?」


 ””その魂をかけて償うべきでは?””


 その問い掛けは呪術の始まりでもありました。

 きっと彼女は頷く。

 そう確信に至っておりましたが、彼はさり気なくも慎重に切り出したのです。

 あまりに重い問いかけだから、普通ならば躊躇うでしょう。

 しかし彼は確信しておりました。

 彼を見上げる少女の瞳が、自分に対する想いで溢れかえっているのに気が付いていましたから。

 彼女の瞳がいつも潤んでいるのは、自分の成果なのです。

 その身を引き取り衣食住を与えた事で恩を売り、気まぐれに優しさを与えて気を持たせては突放す。

 そんな事を繰り返されれば、誰だって彼の事で頭がいっぱいになるに違いありません。


(ぶ・・・ぶってもいいですか!!ギルメリア!!)

 思わずリュームは拳を握ります。

 振りかぶった拳が彼を素通りすると解ってはいても。


 彼女が頷けば術は発動するのです。

 彼の織り上げた『一族根絶やしの呪い』なるものは、解き放たれるのを今か今かと檻の中でその時を待ち侘びているのです。


「それもそうね!だって。わたくしが持っているものなんてそれ以外、見当たらない」


 それを承諾した魂はあまりにも憐れで、滑稽だと思ったのはギルメリアですか?

 闇はその者が心を許しやすい形を取るのだそうです。

 それが猫なのは昔も今も変わらないようですね。


「ああ。そうか。ならばその身を差し出せると言うのだな?」


 猫の声がギルメリアの肉声に変わります。


 シュ・リューカときたら、突然の言葉であったにも関わらずですね。


・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・


(あーあ・・・)


 あーあ、うんって言っちゃうんですよねー確か。

 何でしょうかね。

 この嫌になっちゃうくらい、今とさして変らぬ流れは全く!


 これから先は見せられるまでもありませんでした。

 ええ。少しずつですが思い出して来ていますから。

 ダグレスが『魂の記憶を読み取る作業』をためらう訳ですね。


 色々な方面からおいて、どのようにとっても面倒以外の何事でもありませんから。


 いえ、それだけではなくて。

 ある程度読み取ってくれていましたから、本心は読み取ったその記憶をリュームに伝えるべきか否かと迷ったのでしょう。

 確かにあまりの救いようの無さ加減に、ためらいしか覚えません。


(バカだなぁ。本当に。リュームに言われるなんて相当救いがありませんよ、シュ・リューカ?)


 ―― かつてのリュームよ?






ちょっと雰囲気変えてみました。


いよいよ大詰めと気取りたいところです。


――ここで茶化しては雰囲気ぶち壊しなので、黙っておきます。


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