第二十七話 シェンテラン家の日の光
『闇抜けてみればそこに差し込む日の光』
小話 8・8 UPです ↓ 後書きにてどうぞ。
闇ふり払い給え
我らが光
そして迎える
数多の光
祝福されし
我らが光
優しい声が心地よく
リュームはうっとりとそのかすかな歌声に耳を澄ませて聞き入りました。
誰・・・?
眠たすぎて目が明きません。
それでも無理やり持ち上げた瞳に映ったのは、朝日を受けて輝く綺麗な金髪の女性でした。
寝台から少しだけ離れた椅子に腰掛けて、お膝には黒猫がまあるく収まっております。
(キレイな方。キレイな声。ああ、エキ!良かったね、あんた撫でてもらって気持ち良さそう。
エキはその歌が好きなんですものね。それはそうとエキ、大丈夫だったの?)
確かクレイズのせいで、エキは形状を保てなくなってしまったはずです。
声にならないまま、そう視線で訴えました。
エキは気がつかないようです。よほど心地よく眠たいのでしょう。
少しだけ視線を上に向けるとエキを撫でる手の持ち主に、にっこりと微笑み掛けられてリュームは驚いてしまいました。
優しげな緑の瞳が、そのあまりに冷たすぎる印象からは遠すぎてすぐには思い当たりませんでしたが、
間違いなくご領主様と同じ色合いです。
雨に洗われたかのような、常緑樹の瞳。深い深い森の色彩に思わず息を飲みました。
(!?)
ミゼル様の、オトナの姿?
いえ、違い、ますね。
このお方、は――もしや。
ヘ ン リ エ ッ タ さ ま 。
ご領主様の、おかあさま?
肖像画でしかお逢いした事はありませなんだが。
くす、と優しく笑うとヘンリエッタ様は、リュームを見つめ返してくれているようです。
絵画の中の完璧とも言える美貌はどこか冷たく感じられてしまい、幼心にも気おされたものでしたがどうやら違うようです。
(あの、あの?ヘンリエッタさまですか?ご領主様のお母様の?)
そう問いかけたくても声すら出せません。せいぜい視線を泳がせるくらいです。
それでも迷い無くひとつ頷き、にっこりと微笑んでくれるご様子から間違いないと判断していいものと思います。
(ご領主様!大変です、ちょっと起きた方がいいですよ、ヘンリエッタ様がいらっしゃってますよ!!)
多分、眠りの中でいらっしゃるであろうご領主様を目で探します。
(ご領主様!?)
そのお姿を探し当てたリュームはまた、思いっきり動揺してしまいました。
だって、だってですね!リュームのすぐ目の前にご領主様と思しき金の髪があるんですもの。
戸惑いながら向けた視線の先、ヘンリエッタ様はご自身の人差し指を唇に当てて見せられました。
『し――。静かにね?』
いたずらっぽく口角を持ち上げられます。そのままエキを抱き上げると、椅子から立ち上がられました。
(あ、の?ヘンリエッタ様?)
ゆっくりと近付いてこられると、リュームたちが横になっているであろう寝台の傍らに立たれます。
すいと白い指先が伸ばされました。
それが優しくリュームの額に掛かる髪を撫ですくい上げると、次はご領主様の頭を撫でられます。
幾度か目の前で繰り返されたそれは、またリュームのおでこへと戻りました。同じように繰り返されます。
『二人ともいいこね』って言ってくれているみたいです。
その優しい手つきに、リュームは何故かしら涙が零れました。
(ああ、だいじょうぶ。なにもかも)
そう安心できたのです。
エキが少し拗ねたように、にゃあと一つ鳴いたのを最後に再び眠りに落ちていったのでした。
・。・:*:・。・:*:・。:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。・:*:・。
朝の光の中で目覚めると、真っ先に目に飛び込んできたのは金の輝きが眩しいご領主様のおぐしでした。
――ってどいうことですかっ!?あろうことか、リュームご領主様を横抱きにしておりましたよ!
なぜっ、このような事故が起きるのでしょうか。
(えーと、うーと、あーっと思い出せないぃ!)
幸か不幸か――ご領主様は安らかな寝息を立てていらっしゃいましたから、動こうにも動けません。
このまま彼が眠っていてくれれば、抜け出せるかもしれません。
ですが身じろいだ結果、起こしてしまい朝っぱらから望まない方向へは何としても避けたい展開です。
だって、そうでしょう!?
(うわ、もうどうしよう〜〜な、もぅ、近すぎでしょう!誰かぁ!)
一人身悶えてしまいます。
だって。ご領主様の頭を抱える格好ですから、リューム。ありえなくないですか?
ぜぇはぁと一人で騒いで、何とか落ち着きを取り戻す頃には少し余裕が出てきました。
落ち着けーとにかく、落ち着けー!と呪文を唱えながら、朝日に目を向けます。
(近すぎも何も。こうしたのはリュームではありませんか)
そう思い出していたたまれなくなりました。
彼とこれだけ密着していなかったら、手足をバタつかせて転がりまわるくらいはしていた事でしょう。
(昨晩は。昨晩は確か。うううううわあぁぁあああん!!)
落ち着きましょう。そしてあんまり思い出してはいけません。
ぜぇはぁと慎重に呼吸を整えます。それしか方法がありませなんだ!
彼の目元にうっすらと浮かぶクマに指先を這わせてみます。
クレイズの話だとリュームは五日間意識が無かったそうで、その間ご領主様はろくに休む事も無くずっとリュームの側に付きっ切りだったらしいです。
お疲れなのでしょう。顔色が少し青ざめているようにも見えます。
頬にも触れてみました。少し、ひんやりとしています。寒いのでしょうか?
何か掛けて上げれたらいいのですが、見当たりません。そもそも動けません。
そ、と身を寄せて、ご領主様の首筋を抱え込みました。
そうすることで自然と彼の額、前髪の生え際に唇を寄せる格好となります。
「・・・・・・。」
どうしよう。声を掛けるべきか。否か。
(このままそっとしておきましょう。ええ。それがいいです、そうしましょう)
・。・:*::*:・。・:*:・。・
確か昨晩は幾度も口付けられた、はず。
そのまま、ご領主様の方が先に意識を手放した、はず。
抗議の声も何もかも許されず、飲み込まれてしまうほどに幾度も深く。
ですが先に意識を手放したのは彼のほうでした。
(か・勝った!)
何となく意味もなく、勝利を感じてしまったリュームでございます。
五日間眠りっぱなしだったこの身体と、その間ろくに休息も取らずに付きっ切りだった身体。
どちらが意識を長く保てるかなんて、問われるまでもないでしょう。
勝ったの負けたのだのではない事くらい解っていますが、助かったという安堵と共にリュームも意識が途切れがちだったのは言うまでもありません。
そりゃそうです。五日間ろくに何も口にしておらずその上、目が覚めたと同時にまた呼吸困難へと導かれたのですから。
(重い。ううう、勝ってないですね。今度は負けた気がして来ました)
彼の重みを受け止めつつ、何とか腕だけ這い出せました。
(ヴィンセイルさま?)
本体に戻る直前に見たご領主様にほだされた、とでもいいましょうか。
まるでリュームの存在を確かめるみたいに名を呼ばれ続けて、髪をかき上げられて、身体を撫で上げられて。
幾度も幾度も幾度も。
それは狂おしく存在を求められたような気さえして、リュームはどうしていいかさっぱり解りませんでした。
狂気にも似た想いを寄せられた錯覚からただただ怯えて、リュームはなされるがままでした事を少し悔やみました。
まぁ、声を掛けようにも唇はふさがれっぱなしでしたし、その上抱き返してあげたくとも両腕の自由を彼に奪われていては
――なす術もございませんでしたが。
やがて彼はリュームの存在を確信したのか、ゆっくりと意識を手放されたのでした。
リュームの耳元を掠めるのは、彼の穏やかな寝息と判断しました。
良かった良かった。ようやっと、安心してくれたみたいです、とリュームもほっとしました。
途端に再び襲い来る睡魔に、リュームは抵抗を試みました。
今はまだ、もう少しだけ意識を保たねばならないと思いましたから。
(ヴィンセイルさま・・・聞いて下さい)
彼の意識がない事がいい事に、今はまだ戻ってくれませんようにと祈りつつ腕に力を込めました。
(リュームはここにいますよ?ちゃあんとね)
そんな思いを両腕に込めて、精一杯抱きつきながら、そっとその耳元に囁きかけました。
ご領主様は目覚めた途端、リュームを遠ざけるやもしれませんし、そうではないかもしれません。
わからないですから、こうして今は彼を抱きしめておこうかな、と思ったです。
リュームは身動き取れないまま、そのまま再び眠りに落ちていったのです。
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そんな昨晩の事はすべて夢だったのでは無いのでしょうか?
朝日に暴かれているとそうとしか思えません。
全ては闇が見せた都合の良い夢だったのでは、と思えてきて何とも心細くなってきます。
闇に包まれていれば、そのまま飲まれかねなかったのかもしれません。
ですが心のどこかでは、それを望む気持ちも無かったとは言い切れないのです。
(闇ふり払う我らが光)
その一節を心の中で諳んじていました。
ふと不安になったからです。
都合の良い夢とは、誰にとっての都合でしょうか。
それは間違いなくリュームにとってでしょう、と認めるしかありませんでした。
ご領主様がリュームの事を心配して待ってくれていたのは、リュームの都合の良い錯覚だったらどうしますか?
そうではないとは言い切れないのですよ、リュ−ムや?と自分自身に問いかけた途端に涙が一 滴、頬を伝いました。
何せたいそう嫌われ続けて七年、義兄とすら呼ばせてもらえなかったではないですか?
少し気遣ってもらったからといって、いい気になってはいけません。ますます嫌われてしまうでしょう。
(闇ふり払い給え 我らが光 そして迎える数多の光 祝福されし我らが光)
哀しくて心細い時は歌いましょう。それがいい。そうやっていつだってやり過ごしてきたではありませんか。
たとえ目覚めたこの方に、どんな瞳を向けられるやしれないとしても。
この方の深すぎる眼に晒されるのが恐ろしくなって、リュームはまたぎゅっと瞳を閉じますが、
溢れる涙が後から後から眦から零れるのでした。
(闇、ふり払い給え・・・我らが光)
必死でその一節にすがるように繰り返し続けるしか、この想いをやり過ごす方法がありません。
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さらさらと軽やかに髪がこぼれる音がし、リュームは視線をさ迷わせました。
どうやらあのまま、まどろんでしまっていたようです。
さら、と微かな音を立てて流れたのはリュームの黒髪でした。
それを梳く大きな手のひらに気が付き、恐れから身体がビクつきました。
「まだ熱が下がらないか。また俺を拒絶するのだな、リューム。あの時と変わらず」
拒絶?あの時?それをするのはいつだってアナタ様の方ではありませんか?
そんな想いを込めて虚ろなまま、視線を何とか向けました。
「何だ?」
ゆるゆると指先だけを持ち上げます。それが精一杯でしたから。
ご領主様はリュームが何がしたいのか、黙って見守って下さっているようです。
残念ながらリュームにも解りません。
そ、と屈んで顔を近づけて下さったご領主様の頬に、あご先に、と指先を這わせました。
「何だ?どうした」
おひげ。少し。
昨日頬を寄せられた時、ちくちくするなーと思ったので何かな、と思ったのです。
それだけ、です。
「後で剃る。それともこのまま伸ばすか?」
何故かリュームに確認するように言われます。
お義父さまみたいにされるのですか?
想像も付きません。少し驚いて目を見張りました。
そのまま、指先を取られゆっくりと下ろされます。
手を包み込むように寝台に置かれ、まるでお返しとばかりに頭から頬を撫でられました。
大きな手に視界を塞がれてしまいます。
「リューム。医師を呼んでくるから休め。昨晩の続きは後だ」
続き?続きなんてあるのですか?
そうは思いましたが聞き返す気力も無く、大人しくひとつ頷いて見せたのでした。
『小話は更新した内に入りませんかねぇ?』
そんな調子でお久しぶりです。
目標、週一回更新も行けると思ったのですが〜(七月の頭くらいに。)
とんでもない!思い違いでしたよ!
何でだ!リュームだ!
この子の戸惑いに付き合ってるうちに、こりゃ全部書き直しだぞっとな。
ヴィンセイルはどんどん飢えたオオカミさんに仕上がりつつ・・・あってはならないだろうと思いつつ。
オアズケ状態は続くのでした。
小話は〜ま、また!後日でお許しを!
やっとこさUPです。八月八日に〜どうぞ! ↓
『小話★第二十二話のこぼれ話〜フィルガ・ジャスリート〜』
「俺は彼女とは――。婚約に頷くしかない方向にもっていって、半ばご強引にこぎつけただけです。
彼女はおそらく本意ではなかったはずだ。今もただ負担でしかないと思っているフシがある。隙あらば解消しようとね」
「・・・・・・。」
帳から祖母に追い出された若領主に向って、苦笑しつつ呟いてみる。
軽く目配せをして答えただけで、新しくこの地の領主に任命された男は黙ったままだ。
それでも俺は続けた。
沈黙が気詰まりだという理由からだけではなく、少しばかりリューム嬢に同情したからだ。
それとこのシェンテラン家の当主にも。
リューム嬢がまだまだ幼いのは、俺の目から見ても明らかだったから。
そこで突然「妻に」等と求婚されては途惑うばかりでしかなかろう。
””義妹は病弱で公の場は体力的にも無理をさせるので辞退させたい””
の一点張りの理由など、とうに尋ねるまでも無い。
彼が間違いなくリューム嬢を『義妹』などとは思っていない。
リューム嬢を自分のものと信じて疑わないのだろう。
いや。信じるというよりも、それはもう彼の中では決定事項なのだろうとは思う。
(やれやれ。かつての俺のようではないですか)
契約によって呼び出したのは俺だから、彼女は俺のもの以外の何者でもない。
あの時は本気でそう思っていた。
相手の気持ちを思いやる事もせず、強引に自分のいいようになって当たり前と振舞った。
その代償は後々まで引きずる。その確信は苦い経験上、間違いないと言っていい。
★ ☆ ☆ ★
それを見せ付けるためだろう、この家の家宝を身に付けさせて広間に誘った。
それが何を意味するのかくらい客人の目にも明らかだ。
今日の招待客の漏らした感嘆の声の七割以上は、悲嘆の込められたものと判断を付けていいと思う。
この若き領主がそろそろ身を固める頃合だろうと、気合の入ったご令嬢達の視線が一気にリューム嬢に注がれていた。
それだけではない。
初めて華やかな場に現れたリューム嬢に、これを機会とばかりに近付こうという男性達の視線も加わってとあっては、自然と彼女の手を取る彼の雰囲気も威嚇するものとなる。
嫉妬と羨望を一身に向けられ、しかも傍らには怒気はらんだ気配。
なれぬ場でこうも注目されてはひとたまりも無かろう。
実際、リューム嬢は今にも泣き出しそうに見えた。足元もふら付きおぼつかず、視線は不安からか惑い、揺れていた。
そんな彼女に我が物顔で付き従うのは、この家の主人。
ああ・・・そうか。お二人はそういうことか。
耳に届かずとも広間に集った者の言葉はソレに尽きる。
解っていないのはリューム嬢ただ一人くらいだったろう。
それを承知の上で話を進めようとする彼に、祖母も俺も苦い笑みを浮べるほかは無い。
『そうですね。このフィルガ・ジャスリートの妻になって行く行くは公爵夫人の座におさまりたくはありませんか?』
思い出してみても、今の自分ならばあの時の自分を殴ってでも止めたいと思う。
今は婚約者、その頃はほぼ初対面の少女の表情が悲しそうに歪んだのを残酷なまでに愉快だと思った。
どれほど詫びても詫び足りない。
かつての自分の愚挙を省みているからこその、生意気ながらも進言のつもりだった。余計なお世話と知りつつ。
後で必ず、彼女の気持ちを無視して突っ走った事を悔いる事になると思うからだ。
「無礼を承知で俺の意見を言わせて下さい。どうか女性には時間を掛けてあげた方がいい。ゆっくりと、焦らずに。
必ず受け止めてくれる日が来ますから。祖母は何も悪いようにはしませんよ」
「ご進言、感謝する」
ぽつ、と一言だけ返った答えはいくらか落ち着いたもののように聞こえて、俺は少しばかり安堵した。
★☆☆★☆☆★
””あの!あの、若造!!いや、ばか造がぁぁぁぁ!!!””
「ダ グ レ ス」
何事だ。そんな非難を込めて名を呼んだが、無視された。
いつもの事だが、今回ばかりはいただけない。
館内の者は寝静まっている時分であり、大きな物音を立てられては困る身とあっては特に非難したい。
何せ一時ばかりと忍んで帰宅し、腕の中には俺の婚約者を抱えているという状況だ。
ほんの半刻前に彼女を訪れたばかりで、夜はこれから――。
という時にこの獣。今日こそ決着をつけるべきだろうか。
「まぁ!ダグレスも帰ってきてくれたの?でも、どうしたの。何をそんなに怒っているのかしら?」
するりといともたやすく抜け出すと、彼女は勇み足のダグレスに駆け寄ってしまった。
俺の婚約者は無情にも、いつだって獣の味方なのだからやるせなさは募る一方だ。
俺の両手はため息と共に空を切る。
””嬢様!今日は嬢様に相応しい遊び相手を見繕うて参ったのですが、その娘に無体を働く輩がおりまして。
ルゼにもその娘の力になってやれと言われて付き添っていたのですが、その若造は独占欲の塊!
我を無体にも追い払いおって、娘を泣かせただけでは済まず、気を失わせたのです。
ですがその若造ですが一応はルゼの懐 刀になる男というので、下出に出るより他無かったのでございます!””
「まあ!大変です。そのコは大丈夫なのでしょうか?フィルガ殿。今の話は本当ですか?」
””――というわけだフィルガ。リューム嬢はジャスリート家で保護しろ。不憫だ””
まんまとダグレスは彼女の腕の中に納まり、大きな身体で甘えながら俺を見上げた。
「大丈夫ですよ、ディーナ。彼はそのコの義兄ですからね。危害は加えたりしませんよ。
それよりもダグレス。おまえがまた要らぬ事でもしでかして、ヴィンセイル殿を挑発したのだろう?」
””・・・・・・。””
黒い獣は答えない。図星なのだろう。それが答えと言う事か。
(ああ、もぅ。ヴィンセイル殿も・・・やれやれ)
誰も彼も人の話しなんぞは、聞く耳すら持たないといった所なのだろうか。