表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

1 【中嶋神音と言う少女】

まだ物語は動きません。

 異世界に召喚された少女、中嶋神音(なかじましおん)を説明するのにそう多くの言葉はいらない。

 彼女は美少女であり、優等生であり、そして変態である。簡単に説明するとすればそれが|中嶋神音と言う女子高校生だ。

 顔面偏差値(がんめんへんさち)の高さは生まれつきだが、彼女の今の変態的嗜好(へんたいてきしこう)が確定したのは中学の終わり頃だった。

 中嶋神音には小学校から同じ広瀬瑠夏(ひろせるか)と言う親友がいた。そしてその親友が神音を変態へと変える理由を作った張本人だった。

 瑠夏は俗に言うオタクで、漫画・ゲーム・アニメ、その他色々幅広く手を出し、そして自分の推しや萌えシチュを神音と共有するのを趣味としていた。元々年頃の女の子らしく少女漫画が好きだった神音は簡単にどっぷりと瑠夏の策略に乗り、オタクへの道へと走った。それだけならばただのオタクとして平穏に生きたていたのだが、そこにBL・GL・NL・人外・筋肉・年上・ロリショタ・夢・異常性壁、などといった様々なジャンルが加わり神音の趣味は中学が終わる頃にはカオスになり、そして今の変態的嗜好が出来たのだ。そして一番たちが悪いことに、神音は顔が良い。そして彼女は極端過ぎる結論に至ったのだ。


「美少女優等生になれば、多少の変態嗜好(へんたいしこう)は許されるんじゃ…?」


 とんでもない思考だが、それはなんだかんだ理にかなっているとも言えなくはなかった。

 イケメンに壁ドンをされればトキメキ、不潔な男性に壁ドンをされれば通報され、優等生が小さい子に話しかければ子供好きとみなされ、不良が声をかければカツアゲではと疑われるこの世の中。人間は顔だけじゃないと昔から声高々に言っている人間はいるが、もしそうならイケメンアイドルや1000人に一人の美少女なんて言う謳い(うたい)文句なんてとっくにこの世から消えているはずだ。

 そこから神音は覚醒した。動機が不純すぎるこれを覚醒といって良いものか悩むが確かに変わった。身なりを正し、勉学に励み、美容にも気を使った。その結果、生まれつき顔が整っていた神音は誰もが美少女だと口を揃えて言う存在になったのだ。

 そしていつも通り学校での優等生の役目をしっかりと果たし、帰り道の本屋で買った新刊を早く部屋で堪能(たんのう)しよう、と神音が上機嫌で玄関の鍵を入れて回した瞬間、突然神音の足元が青白く輝き出した。


「うわ、なにこれガチャですか!?」


 金色演出じゃないからレア度低いヤツ! と混乱しているのか素なのかは定かではないがそう叫ぶ神音。

 焦る神音を無視し、足元の光は徐々に強くなり最終的に神音を丸ごと包みその場から神音諸共(もろとも)消えた。

 そうして、彼女は異世界に召喚されたのだ。

神の音と書いてシオンと言う主人公と、彼女が異世界に召喚される少し前のお話。

次は異世界側のお話予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ