5話
教室に着くと手をつないだまま、もじもじしてる2人に気づく。
「あっ、ごめん、つなぎっぱなしだった」
すぐ手を離そうとするも、なかなか離れない。
「ん?」
「まだつないでいたいにゃー……」
「……」
サツキは顔を赤らめて片手でスカートを掴んでもじもじしてるし、妹ちゃんは頬を朱色に染めて俯いたまま体からパチパチ静電気の音を発してるし、どうしたんだろうか。
「あなた達、教室の前で何をしているの? 翼さんは早く手を離してあげなさい、神田さんと照美さんの能力が漏れ出しているわ、男性の汗にも能力アップの効果と快感作用があるのよ」
「おうわっ」
急に後ろから声をかけられてびっくりしてしまった。
その拍子に2人と手が離れた。
「にゃ……」
「あっ……」
「えっと、すみません、教室の前で」
後ろを見ると何人か女子生徒が教室に入れないまま待っているようだったので謝る。
「いいわ、でも手をむやみに繋ぐのは感心しないわ、そんなのではすぐに襲われてしまうわよ? 男子なら少しは気をつけておきなさい」
「は、はいっ」
微笑んでそんな事を言ってくるのは、前の世界から知ってる、
学園三大美少女のうちの一人である才女の織田愛子さんだった。
目の下の泣き黒子が妙に色気のある人で、俺は、もうずいぶん前からこの人のファンだった。
めちゃくちゃ緊張する~~。
「むむ、お兄ちゃんから何か危険な気配が、委員長さんすみません、お兄ちゃん行くよっ」
俺の前にサッと出た妹ちゃんに制服の袖を引っ張られ教室に入る。
てか、妹ちゃんとサツキちゃんは、同じクラスなのだろうか。
疑問に思っていると、俺の左右隣の席にそれぞれ妹ちゃんとサツキちゃんが座った。
なるほど隣の席なのか。
ふむ、