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4話

それにしても能力は液体効果10倍か……、もっと時間止める能力とか電気を操る能力とかが良かったなぁ。

「そろそろ時間かな?」

時計を見たらそれなりに急がないといけないくらいの時間だった。

「そうだね!もう行かないと」

「だよね、よし行こうか」

玄関を出ると妹ちゃんと学校へ向かった。


……。


「ねぇ見てみて、あの人超イケメンじゃない?」

「えー、そんなイケメンが簡単にいるわけないじゃん、はぁっ!?やだ、超イケメンじゃん」


他校の制服らしきものを着てる女子高生がこっちの方を見て、騒いでるのが聞こえる。

他にもこっちをチラチラと見てはひそひそ喋ってるOLなどもいる。

「っ、お兄ちゃん!さっさと行くよ!」

急に俺の手を掴んで引っ張っていく妹ちゃん、

もしかしてまわりの視線に嫉妬したのだろうか。

「うん、」

妹ちゃんに引っ張られていくと、学校に到着した。

あれ、いつも見慣れた校門のはずなのにおかしいぞ、

なんだこの巨大な門は。

てか、学校名も少し違うぞ。

都立東京学園のはずなのに、都立東京超能力育成学園に、

それにやたら敷地も広くなってる。

学園の裏の商店街にあったコロッケ屋が好きだったのに、

この大きさだと商店街ももしかしたら……。

無くなってたら地味に悲しいぞ。

「ぼーっとしてどうしたのお兄ちゃん、早くいかないと」

しまった校門前で棒立ちしてしまってたか、

「ごめん、今いく」

妹ちゃんの後ろから小走りでついてく。

校内に入るとやたら広いバラの庭園や何の施設かわらかないような場所まで色々ある。

やばい、これは一人だと下手したら迷うかもしれん。

うーむ、悩みながらも下駄箱に付くと、

上履きを取ろうとしたんだが上履きがなかった。

変わりに大量のラブレターが入っていた。

「お兄ちゃんどうしたの、あっ、もしかしてまた上履き盗まれた? 本当にどうしようもない女子が多いかも! いま来客用のスリッパ取ってくるから待っててね」

またとか、俺の上履きはそんな盗まれる物なのか……。

「う、うん。ありがとう妹ちゃん」

廊下を小走りしながら振り向いてピースをする妹ちゃん、

めっちゃ性格イケメンやん……。

「ふぅ」

なぜかため息が漏れる、色々あって疲れてたのかな。

「隙ありぃ!ギューーッ」

「ふぉわっ」

後ろから急に抱きしめられて、思わず変な声が出てしまう。

「なな、なんだ!?」

背中に柔らかい二つの膨らみの感触が、もしかしてこれはおぱ……おぱでは。

「フフフ、この私を前に無防備な背中をさらすとは、翼君もついに私の婿に来る決心がついたという事かにゃー」

あっ、なんかいい匂いもする。ほのかな柑橘系の。

って、そうじゃない、この人いったい誰だ!?

「いったい何ですか!離してください!」

少し背中の感触的にもったいない感じもしたが、身じろぎして、後ろを向いてみる。

「むちゅっ、あっ、ああわぁあぁあ」

「あっ……」

あわわわ、きききき、キスだと……、

こんな後ろにくっついたとかっ、てか俺初めてなんだけど、どうしてくれんのっ。

「はぁぁぁぁああ!? 変態バカサツキ!お兄ちゃんになんて事してくれてるの!!」

「……ご、ごちそうさまにゃー、なんちゃってー、」

「こ、コロス……バチバチッ」

あれ、妹ちゃんの体から電気が、

「ちょ!待って!私が全面的に悪いけどっ、ここで能力はさすがにまずいかにゃーって!本当にっ」

「リミッター解放、イカズチ演舞……」

い、妹ちゃんの目からハイライトが消えてる、これってさすがにやばいんじゃ、

「妹ちゃん待って、」

「そこまでよ!限定解除タイムストップ-時間停止- !」

キィーーン

乾いた高音が鳴った瞬間、周りが灰色になった。

か、体が動かない、何が起こったんだ。

「校舎内での能力使用は、禁則事項のはずよ、まずは能力発動を停止して、だいたいの内容は生徒会長の能力オーバーリアリティ-全知全能-で把握しているわ安心して、神田サツキさんは風紀委員会がしっかり捕縛するわ、何してるの!早く神田さんを拘束して!査問にかけるわ!」

「ハイ!」

後ろから桜の腕章を付けた女子が縄を持って近づいてくる。

それを絶望した顔で床に座り込む俺のファーストキスを奪った茶髪の美少女。

その展開に何かこのまま見てるだけだと、後悔をするような胸騒ぎがして、慌てて止めに入る。

「待ってください! その人は知り合いなんです! 俺は、特に怒ってないので、離してあけてください」

こっちを向いて驚いたような顔をしているピンク色のポニーテールの風紀委員の人が、あなたがそう言うなら……、と拘束を解く指示を出した。

「し、知り合い…」

俺の方を向いてさらに青い顔になって呟く茶髪の巨乳美少女さん。

「ご愁傷様、ついお兄ちゃんから幼なじみから知り合いに格下げされちゃったね、いつもお兄ちゃんにいやらしい事ばかりしてるからだよ!自業自得だよバカサツキ!。」

幼なじみだったのか……、てか見た目はめっちゃタイプだし、キスの責任取ってもらいたいな……。

「冗談だよ、サツキちゃん!、てか俺のファーストキスだったんだけど……」

「わ、私もにゃーー……」

「翼さん、やっぱり神田さんを拘束してもいいかしら?」

「にゃ、にゃんで!」

「いえ、大丈夫です!、妹ちゃん、サツキちゃん行くよ!」

このままでは、まずい方向にいくと思って2人の手を取って早歩きで、その場を後にする事にする。

「お騒がせしました!」

振り向いて一礼して2人をひっぱっていく。

「わっ、お兄ちゃんっ」

「手が暖かいかいにゃー」

何か変な一言が聞こえた気がしたがスルーだ。さっさと教室に行こう。

去り際に後ろから風紀委員さんの『半信半疑だったけど生徒会長の言った通りになりましたね……あんな寛容な男性もいるのですね……』

なんて聞こえたのが、やけに印象的だった。

生徒会長さんも美少女なのだろうか。

この世界の美少女率の高さからか少し気になった。

生徒会長だもんな、たぶん相当可愛いのではないだろうか。

期待大だな。





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