15話
恐ろしき異邦人、天魔との遭遇から1ヶ月がたった。
コンビニに行ったはずの俺がなかなか帰って来なく妹ちゃんとサツキちゃんはそれはもう心配しまくってたらしい。
玄関を開けると大泣きの2人に抱きつかれて説明するのに二時間は要した。
天魔と遭遇した話をしたらさらに泣かれて心配されたのは言うまでもない。 本当に心配かけちゃったなぁ。
天魔との壮絶な戦いから心身ともに消耗したミコちゃんとタエちゃん2人が目を覚ましたのはあの戦いから3日後の事だった。
2人とは連絡先を交換してお礼と手作りの夕飯をご馳走する事になって妹ちゃんとサツキちゃんにも紹介したんだが、一悶着あった。妹ちゃんのこれ以上ライバルが増えたら…ってブツブツ言ってたのが妙に怖かった。
そうして月日は流れ、学園に転校生が現れた。
具体的に言うと俺のクラスに。
「我…こほんっ、んん、大中華連合神話学会付属学園から転入しました。栄湾明です。皆様よろしくお願いします!」
めっちゃ可愛いぃいいいい、チャイナ服が似合いそう! 見た目は泣きほくろがとても色っぽい黒髪美人でロングポニーテールだ。 数少ないクラスの男子どもは転校生が巨乳だからかすごく嫌そうな顔をしてる、 俺はすごくタイプでめちゃくちゃドキドキする。 ふと隣の妹ちゃんからもの凄く鋭い視線を感じた気がしてバッと妹ちゃんの方を振り向いて見たけどニコニコしたいつもの妹ちゃんが微笑んでるだけだった。気のせいか。
ちょっと転校生ちゃんをガン見し過ぎちゃったかな、あまり不躾に見るのは失礼だよね、うん少し控えようかな。
「さて、転校生の紹介も終りましたし、さっそく転校生ちゃんの湾明さんには席についてもらって、席は…そうね、丁度翼君の前の席の田中さんが先週引っ越して空いてるからそこに座ってください 」
「はい!わかりました。」
俺の前の席!?
なんという偶然、これが運命か。
「よろしくね、翼?さん?」ニコッ
「うぇいっ、あっ、こちらこそよろしくね!」
不意打ち笑顔反則過ぎる、めっちゃ変な声出て恥ずかしい。




