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複雑な感情



そんなことを考えていたら、ふっと笑みがこぼれた。



私、初めてなりに頑張ったつもりだったんだけどな。

ダメだったんだ、やっぱり



付き合ってから知った事だったけど、二人とも恋愛経験が皆無だった。



そのことに安心もした。

これから経験する全てを、

恋愛でのこの人の初めては全て私なんだと。



抱きしめてくれる安心感だったり

初めて重ねた唇の柔らかさだったり




二人で初めての経験を重ねていった。





でもこの恋愛経験の無さを激しく後悔したこともある




彼は、恋愛経験皆無なクセして女子の扱いがうまかったのだ。



女は特別優しくされることにめっぽう弱い。

そして、彼は女子に紳士のように優しかった。


そして密かに彼はモテ始めていった。




付き合い始めはそんなに。

だけど長くなっていくうちにどんどん好きになっていく自分に気づいていた私は

そんな彼を取り巻く女子たちに激しく嫉妬した。



嫉妬というのは不安である。

不安だから嫉妬するのだ。



いつか彼を取られてしまうかもしれない…



こんな私よりあの子たちの方が…



こんな思いに駆られて、あの子たちが座りたくて仕方ない彼女の座に堂々と座っていることに私は気づいていなかったのだ




最初は、迷惑かけちゃいけない いい彼女でいなきゃ

なんて考えて嫉妬を隠して隠して隠していた。



だけどそんなものがうまくいくはずもなく。

結局我慢しきれずに爆発するということを何回も繰り返した。



そしてこんな自分をどんどん嫌いになって

気持ちの行き場をなくしていった。





初めてというのは

なんでこうもうまくいかないのだろう


何が正解なのか、なにもわからなかった。





私に恋愛経験があったら。


こんないい人に、こんなバカみたいな迷惑かけないで済んだのに。



恋愛で、初めてこんなにも醜い自分を知った。


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